10年後の登記と10年前の自分
川崎の司法書士 児島充です。
平成29年(2017年)も既に2か月が経過しました。
毎年のように、というより毎月のように月日が過ぎるのが早い…と書いているように思いますが、今日は月日の経過に関連する登記のことについて書いてみます。
株式会社の役員の任期
株式会社の取締役や監査役については「任期」というものがあります。
原則として取締役の任期は「選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」、監査役の任期は「選任後4年以内に終了する事業年度のうち~まで」とされていますが、それぞれ「2年」を「10年」まで伸長することが認められています。(非公開会社のみ。定款で定めることが必要。)
平成18年5月の会社法施行により、このように「10年」まで任期を伸長できるようになったため、多くの会社が10年に任期を伸ばしました。
その結果、昨年あたりから10年の任期が到来する会社が少しずつ増えてきています。会社が継続していれば、ちょうど順次、任期が到来する計算です。(参考:取締役・監査役の任期切れにご注意!)
「10年なんて遠い未来だと思っていましたが、何とかここまで無事にやってこられました。」と、先日、役員変更登記のご依頼頂いた社長様がおっしゃっていました。
10年。
長かったと見るか、早かったと見るかは人それぞれですね。
10年前の自分
僕は平成18年の司法書士試験に合格しました。
その後、新人研修などを受けて平成19年3月に千代田区の司法書士法人で雇ってもらったのですが、その事務所に入る直前に別の司法書士事務所で面接を受け、採用してもらえなかったということがありました。
先日、その採用してもらえなかった事務所の先生と、たまたま仕事でご一緒する機会がありました。(珍しいお名前の先生なので、お名前を見た瞬間に思い出しました。)
思わず当時のことをその先生にお伝えしましたが、「そうだったんですね」と苦笑いをされました(笑)
司法書士が他の司法書士さんと仕事でご一緒する機会ということ自体があまりない中で、ちょうど10年というタイミングも含め、何だか不思議な縁だなぁとこちら側は勝手に感じた次第です。
10年前、もしその事務所に採用してもらっていたら、また違う自分がいたのだろうかとチラッと考えましたが、そうするとこの10年経験できたことが経験できていない可能性もあるということですよね。
今とても恵まれた状況で自分の事務所を持って司法書士として仕事ができていることを考えると、「あの時、僕を落としてくれてありがとうございました。」とその先生には感謝してもしきれません。
「不採用」という1点だけを切り取ると一見マイナスなことに思えますが、それにより別の選択肢が生まれ、新しい道が開けることもあります。
目先のことだけではなく、長期的な視点で考えることも大事だなと今回のことで改めて感じました。
少し自分語りが長くなりましたので、このへんで!
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