ギリギリセーフ?
毎度のことですが慌ただしく月末が過ぎていきました。
ようやくひと段落、ひと安心です。
そこで突然ですが、今日は司法書士の判断力について書いてみようと思います。
言われたとおりにやればよい?
司法書士が行う登記の業務は、基本的に「ご依頼頂いた内容を正確に登記に反映させる」ということになります。
ある程度、筋道が決まっていることが多く、筋道が決まっている場合は、あとは正確に登記すべく準備し、申請を行います。
しかし、中には筋道が決まっていなかったり、予定されていることが法律的に間違っていたりすることがあります。
そのときはその旨を説明して理解して頂き、正しい方向に導いていくということになります。これも司法書士の大切な業務の一つです。
必ずしも「言われたとおりにやる」だけではないのです。
判断材料は何か?
明らかな間違いであれば迷うことはないのですが、しばしば普段の業務において悩むのは、判断が微妙な場面です。
例えば、ある人の判断能力があるかどうか、という問題。
判断能力の有無により、手続の流れは大きく変わります。
高齢になればなるほど判断が難しくなるので、より慎重に判断を下す必要があります。一つ一つ、判断材料を集めるわけですよね。
開業して8年目になりますが、こういうところで経験の差が出てくるのかなと、最近何となく感じるようになりました。
登記できればよいか?
明らかに間違っている。でも、依頼者は(間違った方法で)そのまま進めることを望んでいる。そして、そのままでも進められないことはない。
「登記」というものは、書類さえ揃えばいろんなことができてしまいます。
「登記できるんだからいいでしょ。」という言葉を耳にすることもありますが、「登記できるんだから」という部分自体は間違ってないのが面倒だったりします。
でも、そのような依頼を受けて登記してしまえば、それがそもそも司法書士という存在自体を否定することになり、登記制度を通して守るべきものすべてを壊してしまうことになります。
一生懸命言葉を尽くして説明し、それでも理解してもらえないのであれば依頼を受けない、という選択肢を選ぶ場面もあります。
断る勇気
最近、このような場面に実際に立ち会ったので、なんだかまわりくどいことを書いてみました。
さまざまな関係性、背景、経緯が絡むと、断ったり、ストップしたりという判断は本当に難しくなります。
でもそれを軽視して進めた結果、あとで取り返しのつかないことになれば目も当てられませんし、それをずっと心の片隅にモヤモヤと残したまま日々を送るのも何とも気持ちの悪いものです。
ということで、私はある案件をお断りしました。
自分の判断で決められるようにするためには、「経営が厳しいから」とか「売上が欲しい、惜しいから」という理由で判断することにならないよう、事務所経営のことも常に考えておかなければいけないですね。
ということで、引き続きがんばります!
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